「俺にとってあいつは・・・新しくできた家族だ」
【善悪の屑】は、第一部としてヤングキングにて2014年10号から2016年7号まで連載されたのち、第二部【外道の歌】とタイトルを変更して2016年8号から2023年5号まで連載した。発行部数はシリーズ累計580万部を突破している人気猟奇・バイオレンス漫画である。
設定として、ある事件をきっかけに復讐屋として生きることに決めた主人公達が、実際にあった胸糞悪い事件(少しひねった)の被害者の遺族等から依頼され、犯人を捕まえ拷問、殺害して復讐するといった設定です。
事件の元ネタ(多分まだあるんだろうけど)
・「光市母子殺害事件」
・「大津市中2いじめ自殺事件」
・「女子高生コンクリート詰め殺人事件」
・「尼崎事件」
・「世田谷一家殺害事件」
・「池袋危険ドラッグ吸引RV暴走死亡事故」
・「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」
・「スーパーフリー事件」
・「八王子カリスマホスト失踪事件」
・「名古屋アベック殺人事件」
・「附属池田小事件」
外道の歌の一発目、母親(主人公の嫁)が殴られている横で子供が泣いているシーン。そのあとうるさいと殺される(このシーンは無い)ところなんて今の私には本当にきつかった。事実は小説より奇なりというけれど、ほんとそう思います。元ネタ事件がなかったら普通にボツでしょ・・・というか思いつきもしないと思う。各事件のWikiを見れば吐きそうになりますよ。
後半は事件の復讐というより、殺し屋同士のバトルに移行していき、毎度えぐい殺され方しますが、そっちの方が読んでて辛くない。。実際の事件の内容がえぐすぎる。。復讐内容はグロいけど、事件はえぐいというか本当に辛い。。
絵柄は、賛否両論あると思います。最初は雑で下手(お前が言うな)です。どんどん上手くなりますが上手くなった絵も好き嫌いのわかれる絵柄だなって感じました。この内容を臨場感のあるキレイな絵で描くというのもあんまり想像できないので私はこの絵柄でいいと思います。
猟奇殺人系が好きな方には特におすすめの漫画ですが、ギャグや少年漫画が好きな方が読んだらトラウマになるんじゃない?という読み手を完全に分ける漫画です。私はズーンとなりました。
実際にあった事件の被害者の遺族の方は、当たり前の話ですが本当につらいと思う。第三者の私からすると、新聞やTVでただ知るだけで、世の中には頭がおかしいのがいるなぁって思うくらいだけど、当事者となれば自分の頭がおかしくなると思う。。
実際起きた緊迫感や恐怖は凄まじいものだと思いますが、その片鱗を知ることができる、そんな漫画です。
名台詞
・無抵抗な赤ん坊 殺すような屑を 生かして帰るわけねぇだろ バカ野郎
・頼まれたからやるワケじゃない オレ達は暴力を振るう人間に暴力を振るうのが好きなだけだ 殴ったら殴られる やればやられる 当たり前のことだよねぇ?
・経験して初めて知った 本当の絶望を感じると 人間は涙が出るんじゃない 息ができなくなるんだと